そば愛好家の皆さん、あなたの食卓で繰り広げられる一大ドラマ、それが「美味しいそばつゆの作り方」。自宅でザル蕎麦の魅力を堪能する時、麺を茹でて濃縮タイプのつゆを2~3倍に薄める方法、お試しになったことはないか?しかし、食べてみて驚くことがあるだろう。なんとも専門店のそばつゆとは一味違う、あるいはがっかりな味わいに。塩辛すぎることもあれば、だしの風味が薄すぎて物足りなさを感じることもあるだろう。まるで専門店の味からは遠く離れてしまったような気分になることだろう。私も昔は「自宅で専門店の味なんて再現なんて不可能だろうな?」と諦めていた。
では、なぜスーパーで手に入る濃縮つゆと専門店のつゆとの間には、まるで味の宇宙に広がる奇跡のギャップが存在するのだろうか?そこには、市販品ならではの「宿命」が隠されていたのだ。それは、なんと言っても「だし」と「塩分」のバランスの問題。専門店の真髄、本来の味わいを再現しようとすると、カツオ節の熱狂的な演出が欠かせない。しかし、このカツオ節が登場すると、保存期間においてトラブルが発生してしまうのだ。常温でも安全にキープするためには「だし」の量を減らし、逆に塩分を強力に投入する必要があるのだ。これが、我々の味覚に影響を与えているのだ。
専門店のそばつゆ、それを我が家で再現するなんて、素人の私たちには超難関に見えるかもしれないが、実際にはこれが意外にも簡単なのだ。さあ、我が家で専門店の味を楽しむためのステップに、心躍る新たな冒険が待っている。
さて、このエキサイティングな食の旅が幕を開けるのに、なぜ僕が専門店の味の魔法を語れるのかと問われれば、驚きの事実が明らかになる。以前、私が勤める職場に、ある職人さんが応援でやってきたことがあったんだ。なんと彼、過去10年間、蕎麦の聖地で腕を磨いてきたそうなんだ。その聖地、なんと言っても僕の地元では伝説の名店、老舗の中の老舗。そこは「お昼にあのお店で蕎麦を食べたい!」と言ってしまうには、お財布との相談が必要なお店なんだよ。ざる蕎麦1人前でも1500円くらい。これ、普通は800円くらいのところが多いろう?
(でも、あのお店とご本人に迷惑が掛かるので、店名公開は控えさせて頂く。)
彼に、そばつゆの奥深さという悩みをぶちまけたんだよ。そしたらなんと、彼は「簡単だよ!」とあっさりと返してくれまして、次の日には驚きのレシピを手渡してくれたんだ。その日から早速、そのレシピ通りに作ってみたんだよ。で、結果はなんとビックリ!本当に、専門店のあの特別な「あの味」が、我が家で、再現されているじゃないか!こんなに簡単に、あの専門店の味が再現できるなんて、さぞかし嬉しいことだろう!!
さあ、みなさんもこの驚きと喜びを分かち合いよう!それでは、専門店の「たれ」にあたる、「かえし」の作り方から始めてみよう。
【かえしの作り方】
こちらが、専門店のそばつゆの魔法の鍵となる「かえし」の作り方だ。
1. 醤油:100cc
2. みりん:27cc
3. 砂糖:20~25グラム
この3つの要素が、あなたのそばつゆを驚きと感動の味わいへと導いてくれることだろう。ご賞味ください!より一層の逸品が我が家の食卓に登場するよ。
タレの基本材料量、お見逃しなく!細心の注意を払いながら、理想の味わいを追求しよう。まずはご理解いただきたいのは、この基本材料量はあくまでスタート地点。どうぞ、最終的に作りたい量に調整してください。さらに、その秘密の味わいは4倍に広がり、約520ccの宝物が手に入るだろう。欲張り心で、多めに作っておけば良いのだ。例えば、全ての量を7倍にして作れば、約1リットルのタレがあなたの手で誕生する。
そして、最も大切な砂糖の分量。この魔法の材料は、出来上がりの味を参考に、以後、微調整していただきたいと思う。ご承知の通り、上記の量は、ある専門店の秘伝の味わいに基づいている。あなたの味覚と、その材料の相性を見極め、より良いタレに仕上げよう。
早速作り方をご紹介しよう。
1. まずは鍋に、しょうゆとみりんをていねいに混ぜる。火にかけ、沸騰しない程度に温めながら、砂糖をじっくりととかする。火が迫る直前、沸騰寸前で火をおさえ、タレを冷まする。そして、大切な一工程、かめやビンなどに移し、フタはせずに(ティッシュや布などで軽く覆って、輪ゴムで仮止め)3日から1週間、心ゆくまで寝かすのだ。この寝かしの期間が、タレの芳醇な風味を引き出す秘訣なのだ。まさに、この時間が魔法の秘密だ。(ちなみに、急ぎの場合でも市販品にはない美味しさが出来上がるが、じっくりと寝かすことをおすすめする。)
ここで一点注意。減塩タイプの醤油や保存環境によっては、長期保存した後、醤油が酸化したような味に変化する場合がある。このポイントを念頭に置いて、専門店の魔法をお楽しみください。この秘伝のそばつゆがどのような驚きの味わいをもたらすのか。
真の匠の秘密を解き明かす!「門外不出!美味しいそばつゆの全て」
【2・だしの取り方(出来あがり500ccの場合)】
ここには、鰹ぶしとさばぶしの魔法が隠されている。あなたの心に、本物のだしの深みを刻み込みよう。鰹ぶし、荒削りの荒節がベスト。20~30グラム。野球のボール一握り分の重さ、それが秘められた魔法のキーだ。もちろん、てきとうで良い。測りがあれば、最高だが(笑)。
大きななべに水800cc~1リットルを静かに注ぎ込む。そして、そこに鯖節と鰹節が舞い降りる。強火で沸騰の儀式が始まる。10~15分、じっくりと煮込むのだ。この間、グツグツと煮たてるような音が、あなたの味覚の期待を高める。初めのうちは、アクが浮かび上がる。しかし、これはあくまで仕込みの一環。丁寧に、すくい取りよう。そして、ある時間が来たら、神秘の儀式は終焉を迎える。火を止め、だしがらを取り出す。顆粒状のだしの粉などとは決して手を結んではならない。その道は、真の味わいへの扉ではないからだ。温かいうちは、だしがきいていても、冷めると途端にまずくなる、そんな遠慮のない事実がこの作業に潜むのだ。
【3・辛汁(ざるそばのつゆ)の作り方】
そろそろ、辛汁、つまりざるそばの魔法に触れる時だ。だし汁が熱いうちに、かえし1(125cc)、だし3(375cc)の割合で美味しさの秘密を紡ぐ。一晩寝かせるのだ。その美味しさに、舌がじっとりと応える。濃過ぎるような感じもあるかもしれないが、それこそが本物の味わいへの扉。洗いたての水が滴るようなソバが、この魔法にとってちょうど良くなるのだ。この神秘のタレは、あなたの食卓に真の美味しさを呼び起こする。
「つゆの神髄!美味の楽園への扉が開く」
あなたの食卓に、至福の美味しさをお届けする。4つの味覚の楽園、それがここにある。
【4・甘汁(かけそばのつゆ)】
心急かせるなら、寝かす必要はない。この甘美な味わいは、ただ混ぜればOK。その手軽さが、時間を気にする方々にとっての宝物だ。
【おまけレシピ】
そして、おまけのレシピ。天丼のつゆ、カツ丼のつゆ。こちらも甘汁の魔法のバリエーションだ。甘汁100ccにしょうゆ25cc、さとう15グラム。そして、カツ丼のつゆ、甘汁100ccにかえし40cc、しょうゆ10cc、みりん5cc、さとう18グラム。この数々の調和は、味覚の奥深さを実感させてくれることだろう。
=最後に=
これらの作り方によって生まれる各種つゆは、関東や中部で食べられる「蕎麦」の魔法そのもの。この旅を共にする方々にとって、これぞ専門店の「蕎麦」の味としての驚きが、必ずや訪れることだろう。実際の作業時間もさらりと30分、そして一度でもこの魔法のプロセスに触れてみる価値はある。関東や中部で「蕎麦」の神秘を知る方々、あなたの味覚の冒険が今、始まるのだ。