アウトソーシングとは、自社で行っていた業務や機能を外部の他社に委託することで、パソコンやネットワークの発達もそうしたアウトソーシングや分業化の流れに追い風として働いている。
情報処理や通信を行うための機器やシステム。
かつてであれば、社内に抱え込んでいたはずの機能を次々と社外へと吐き出している。
自社で行っていた業務や機能、例えばパソコンのサーバーは外部業者に委託するケースも多い。
ネットワーク上で他のコンピューターに情報やサービスを提供する自分でサーバーを持つのはバックアップの必要性やメインテナンスの手間を考えると外部に委託したほうが安上がりだ。
データや情報を予備の媒体に保存することや機器やシステムの故障や不具合を防ぐために定期的に行う点検や修理や調整などの作業は重要だ。
一方、専門業者にしてみれば何社のサーバー需要を引き受けても、管理者の数は比例して増えるわけでもないし多くの企業から受託すればするほど単位当たりの費用は低下して、より安い価格でサービスを提供できるようになるので更に競争力が強くなっていくという好循環が発生するのだ。
特定の分野や業務に特化した知識や技術を持った業者たち。
日本を代表する大企業であるトヨタ自動車は、その日本的システムの最大の成功体験者でもあり今後も日本的な雇用を重視して行く姿勢を示している。
その日本的システムとは、部門間の協調関係や情報共有や技術伝承などを促進するために、年功序列型賃金や終身雇用制度や企業別労働組合などを採用しているシステムで、しかし、部門間協調が必要だと言われる自動車産業でさえも分業化の流れが起こらないとは限らない。
分業化とは、作業を細分化し、それぞれの作業を専門化した人や組織に任せることで、実際、かつて自動車産業は分業化を進めようとした時期があった。
その時の案は、ベルトコンベア-方式を導入し各作業員は決められた部品の取り付けだけを淡々と続けなければならないものであった。
ベルトコンベア-方式とは、作業台に取り付けられたベルトによって製品が次々と運ばれ、作業員はその製品に対して一定の作業を行う方式で、さすがに、このシステムは余りの単純労働に作業員の集中力は低下し却って作業効率が落ちることが判明した。
単純労働とは、知識や技能や判断力などをほとんど必要としない簡単な作業で、その結果、むしろ数人のグループが一台の車組み立ての全工程を行なうという方式が復活したりもしたものだ。
この方式は、作業員に多様な作業をさせることで飽きさせず、グループ内で協力やコミュニケーションを促すことでモチベーションや品質を向上させる効果があるとされる方式で、しかし例えば、今後エンジンも良いものを買うボディも良いものを買う、というパッケージ勝負の自動車会社が現れたときにトヨタ方式が依然として通用するのかは分からない。
パッケージ勝負とは、製品全体の価値や魅力によって競争することで、トヨタ方式とは、トヨタ自動車が採用している生産管理システムや経営理念や組織文化などの総称で、そうだとすると、やっぱり今後は日本的雇用システムには活路がないのだろうか。
日本的雇用システムとは、部門間の協調関係や情報共有や技術伝承などを促進するために、年功序列型賃金や終身雇用制度や企業別労働組合などを採用しているシステムで、逆に言えば部門間協調を必要とする産業や商品はもうないのだろうか。
部門間協調とは、部門間で情報や意見や資源などを共有し、目標や方針に沿って協力して作業を行うことで、例えば、パソコンを小型化していく中ではいかにスペース効率を追求していくかが問題となるはずだ。
限られた空間を有効に利用することで、パソコンを小型化するということは、内部の部品や配線などをよりコンパクトに配置することであるが、それには各部品の形やサイズや位置などを細かく調整する必要がある。
そのためには、各部品の製造者や設計者や組み立て者などが密接に連携し、最適な解決策を見つけ出すことが必要で、これは、部門間協調を必要とする一例で、一つ一つの部品を全く別々に買ってくるよりも、パソコンの性能やコストを最適化するためには、その限られたスペースにCPUとモデムを一緒に組み込んだマザーボードが必要になるかもしれない。
このようなマザーボードはパソコンの基盤となる部品であり、他の部品との互換性や信頼性が高く求められる。
そのパソコン専門のマザーボードを開発する企業はそのリスクを軽減するためにもパソコン・メーカーのコミットメントが必要になるだろうし、パソコン・メーカーはマザーボードの仕様や品質に納得できるかどうかを確認しなければならない。
パソコン・メーカーの側でも開発当初から部品設計が始まっていないと製品の発売が遅れてしまう。
製品の発売時期は市場の動向や競合他社の戦略に影響されるため、遅れることは大きな損失につながる可能性がある。
製品の寿命が短くなっていく中で、消費者のニーズや嗜好が変化するスピードも速くなっている。
開発時間の短縮化は必須の課題で、開発時間を短縮することで、より早く市場に投入でき、競争力を高めることができる。
そうは言ってもパソコンは外部からの差別化が難しいし性能もそれ程の違いが出てくるものではないと言われるかもしれない。
パソコンは多くの人々にとって必需品となっており、機能やデザインに大きな革新が見られないため、差別化要因が少ないと考えられている。
一部の機種を除けば好みの問題もあまりないし、消費者は自分の用途や予算に合わせて選ぶことが多い。
実用的であれば安いものがいいという環境ではある。
価格競争が激しくなり、利益率が低下する傾向にある。
しかしもう少し趣味とか性能による差別化がしやすい商品やサービスであれば、消費者はより高価でも自分好みのものを求めるようになり、メーカーはより付加価値の高いものを提供することができる。
もっと状況は違うかもしれない。
パソコンに近いところで言えばゲーム機なんかがそれにあたるだろう。
パソコンに近いところで言えばゲーム機なんかがそれにあたるだろう。
ゲーム機はパソコンと違って、主に娯楽目的で使われるものであり、消費者は自分の好きなジャンルやスタイルのゲームを楽しむことができる。
プレイステーションとセガサターンのどちらを選択するかと言えばそのグラフィックの描写性能が大きくものを言うだろうし、ゲーム機の性能はゲームの表現力や没入感に直結するため、消費者はより高性能なものを求める傾向にある。
どちらの方がより充実したソフトを持っているかで勝負がつくかもしれない。
ゲーム機は単体では使えず、専用のソフトが必要であり、消費者は自分が興味のあるソフトが多く揃っているゲーム機を選ぶことになる。
そうであればゲーム機メーカーと部品メーカーの協力関係は重要であるし、部品メーカーはゲーム機メーカーの要求に応えられる技術力や信頼性を持たなければならない。
いかに有力なソフト・メーカーと親密な取引関係を維持できるかが極めて重要で、ソフト・メーカーはゲーム機メーカーからライセンス料を支払う必要があり、その分利益率が低下する可能性がある。
ソフト・メーカーにしてみれば今はゲーム機メーカーと分離された外部の一取引先として独立しているので、自分たちの作りたいゲームを作る自由度が高い。
どちらのゲーム機メーカー陣営につくかを選べる状態にある。
市場シェアやユーザー層などを考慮して、自分たちのターゲットと合致するゲーム機メーカーを選ぶことができる。
しかし今後はソフト開発が大型化して開発リスクが高まるにつれて、開発費用や期間が増加し、利益確保が困難になる可能性がある。
安定的な関係を望むようになるかもしれない。
安定的な関係とは、長期的な契約や共同開発など、互いに信頼し合って協力する関係で、そうするといずれはゲーム機メーカーのケイレツに入るか、ゲーム機メーカーと同じグループ会社になるか、もしくは資本関係を強化するかもしれない。
株式の一部を相互に持ち合ったり、出資したりすることで、Eコマースも例外ではない。
インターネットを通じて商品やサービスを販売したり購入したりすることで、全米最大の本屋となったアマゾン・ドット・コムは本屋の専業であったが、インターネット上での販売チャネルを活用して、今後は徐々に取り扱い商品を拡大する方向にある。
取り扱い商品を拡大することで、より多くの消費者のニーズに応えられるようになる。
日本で現在最もポピュラーなEショッピングの形態は”ショッピング・モール”であるがショッピング・モールと言うのは、インターネット上で複数の店舗が集まって一つのサイトを構成する形態で、あくまで別々の商店が同じ場所に集まっただけの状態に過ぎない。
各店舗は自分たちの商品やサービスを自由に設定し、販売することができる。
もちろん商店街協同のクリスマス・セールをしてみたり、共通のポイント制度やクーポン券を発行してみたりということはあるだろう。
カードを発行してみたりということはあるだろう。
カードを発行することで、消費者に対してロイヤルティや優遇感を与えることができる。
しかし代金の支払いは別々、各店舗が独自に決済方法や手数料を設定しているため、消費者はそれぞれに異なる支払い方法や手続きを行わなければならない。
品物も別々に送られてくるとなっては不便極まりない。
消費者は一度に複数の商品を購入した場合でも、それぞれの店舗から個別に配送されるため、荷物の受け取りや管理が煩雑になる。
この店では使える商品券が他の店では使えないとか細かなシステムの違いをイチイチ気にしなければならないようだと、消費者はショッピング・モール内で統一されたサービスを受けられないと感じることになる。
面倒くさくて買い物もしたくなくなるというものだ。