研究批評を書く人のための序論8

研究批評を書く人のための序論

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キーワードの選択
キーワードというのは、どのように選択すべきか、私もよく知らなかった。
いろいろ調べたところでは、コンピュータの文献データベースで検索するためのものなので、最低でも次のような要因を考慮して選定すべきだ。
1)論文の内容を正確に反映している
2)「こんな読者に読んでほしい」という人の目に触れる(そのような読者が検索に使用するような言葉は何であるか)
3)よく探してくれる(自身の論文がヒット)

このうち、まず重要なのは1)であるが、その基準を満たしているキーワード候補の中からどれを選択するかを決定する段階では、2)、続いて3)も考えることが ある。
たとえば、「節」と「段落」のいずれか片方のみをキーワードに入れることができる、想定する読者が国語学者や英語教育者か、などの要因も考えられる可能性があ る。
個々の雑誌がそれぞれ前提としている研究対象と枠組みを考えることが不可欠だ。
国内の雑誌、特に日本語教育と国語雑誌に投稿する場合は、「日本語」というキーワードは、いらない可能性がある。
(しかしながら、外国語で論文を書くならば、研究対象言語を明確にするために、日本語をキーワードに入れる積極的な意味がある。)

また、論文のタイトルにある単語であれば、タイトルで検索したときにヒットするから、そこにない単語をキーワードにするほうが、想定読者に注目される確率が総 合的に見て高くなる。
書誌情報などの執筆方法。
日本では、英語圏程、完備執筆要領が完成されてわない。
もう雑誌に投稿するか定められているなら、各雑誌の慣行に従うことが基本だ。
企画書のサンプル(あくまでもサンプルだので、本文に記載された文献や研究者は、実在するとは限らない。)

文献批評企画書
「競争モデルをベースに日本語の文章理解の研究のいくつかの論点」(仮題目)
私は修士論文では、競合モデルをベースに、日本語学習者の間接受動文の処理(理解)のプロセスを実験的に研究したいと思っている。
従って今年の下半期は、競合モデルを日本語獲得(L1、L2の両方を含む)に援用したこれまでの研究を確認する。
競合モデルを研究の枠組みに選択した理由は、「手がかりの力」といコンセプトによって第二言語獲得の変化現象を言語処理の研究で明らかに評価している点が、他 の言語心理学の理論ではない強みであり、第二言語習得を認知的な立場で研究するための一番最適な枠組みであると判断するからだ。

この批評の執筆を通じて、私は残りの研究課題を把握して、博士論文で扱われるべき研究疑問を絞れる。
それと、私はこのレビューの執筆を介して、次の分野の専門家としての知見を確立することを目的にしている。
@連合主義をベースにした言語獲得理論の流れ
A実験心理学の文章理解過程の研究方法

【仮定する読者】
第二言語習得研究の方法論の基礎的な知識を持っているが、実験言語心理学や競争モデルについては詳しく知らない読者を前提としている。
「不思議性の説明(すでにあるレビュー文献との比較)」
今までもうBates(19xx)が競合モデル研究のレビューを書いているが、その範囲は、主にL1獲得に限定されているので、L2獲得を扱った MacWhinney(19xx)も日本語の支援が本格化する前に書かれたものなので、日本語に関する研究は少ししか紹介さない。
田原(19xx)は、日本語で書かれた競争モデルの紹介で、貴重な文献であるが、外国で行われた日本語習得研究に言及していない限界がある。
それと、今までのレビューの大部分は、L1またはL2のいずれかに限られているので、L1日本語習得研究とL2日本語獲得研究の知見を比べそこから分野の全貌 を伝えるという試みはこのレビューはじめてだ。

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