料理には、煮物のように火加減による汁の変化を見ながら味の調整をして仕上げるものと、和え物のように味の調味が終わったもので仕上げるものの2種類がある。変化するものに調味する方が、やはり一般的には難しいと思う。例えば、きんぴらごぼうも味をつけながら調整するのではなく、合わせタレを作って味を先に完成させた方が確実においしく仕上がる。さて、材料と作り方を紹介しよう。 【材料】 ・ごぼう…１本 ・濃口醤油：砂糖：酒…３：２：１ ・唐辛子…好みで ・白胡麻…好みで 【きんぴらごぼうの作り方】 ① ごぼうの下処理 これらの工程をしっかりと踏まえながら、きんぴらごぼうを作り上げることで、美味しさを存分に楽しむことができる。ぜひ、挑戦してみてください。ごぼうのごぼうらしい味と香りは皮に多く含まれているので、こすり洗いを行い、タワシでさっとこす程度にする。この工程によって、ごぼうの独特の風味を引き立てる。次に、笹がきごぼうにする前に、ごぼうに縦に切れ目を入れる。 この作業の目的は、下から３番目の写真のように、太くなりがちな笹がきを強制的に細く仕上げることだ。細いごぼうのほうが、調理時により美味しく仕上げる秘訣と言えるだろう。笹がきにしたごぼうは、順次水にさらし、最後に一度水を入れ替えてあげる。こうすることで、ごぼうの余分な苦味や渋みを取り除くことができる。 ごぼう1本程度なら、酢水を使わなくても、水で充分にさらすことができる。白く仕上げる必要もないが、さっぱりと仕上げたい場合は、酢水を使用しても良い。笹がきにしたごぼうは、すぐに調理しない場合は水につけておくことが大切だ。水に浸けておくことで、味が抜けるのを防ぎ、ごぼうの風味を保つ。さて、次に合わせタレの作り方だ。 上記の割合で調味料を組み合わせ、一度軽く沸騰させよう。この合わせタレは、後できんぴらごぼうに加えて、絶妙な味わいを与えてくれる。 僕はコクを際立たせるために、砂糖はいつも中ざらめを使用している。この砂糖は、調理において素材の風味を引き立て、料理に深みと甘さを与える秘訣だ。 そして、アクを取り除く作業も大切だ。数回分の分量の場合、別の容器に保存しておくことで、後で料理に使うことができる。この工程によって、余分な苦味や渋みを取り去り、ごぼうの本来の美味しさを引き出する。 さて、ごぼうを炒めて仕上げる段階だ。鍋にサラダ油を熱し、ごぼうを加えて炒める。ここで、ピリっとしたきんぴらが好きな場合は、好みで唐辛子を加えても良いろう。全体が均一に火が通り、ごぼうがしんなりしてきたら、合わせタレを適量加え、少し水分を飛ばすことで、きんぴらごぼうの完成だ。