厚焼き玉子を作る方法だ。玉子焼きには「関東風」と「関西風」の2種類がある。関東風、つまり「厚焼き玉子」は、焼き目をつけて砂糖を入れて甘く仕上げる。関西風の「出し巻き玉子」は、焼き目と甘みをさほどつけず、だしをたっぷり入れて仕上げる。このスタイルは、弁当の定番でもあり、卵だけでできるので家庭でよく作られる。 玉子焼きを作る際に、水分（だし）の量が多すぎると、巻きにくくなるので注意が必要だ。では、まずはだしを入れない「厚焼き玉子」の作り方をご紹介する。 【材料】 ・卵…4個 ・砂糖…大さじ2 ・塩…少々 ・サラダ油…大さじ1 ・濃口醤油…大さじ1 【作り方】 ① 卵をボウルに割り入れ、砂糖と塩を加えてよく混ぜる。フライパンにサラダ油を熱し、卵液を流し入れる。卵液が半熟になったら、巻き始める。片端から巻いていき、巻き終わりで焼き目が下になるように皿に移する。 あつあつの厚焼き玉子には、大根おろしと醤油をかけてお召し上がりください。玉子焼きは、具材を加えるバリエーションも豊富だ。ネギやハム、チーズなどを巻き込んでアレンジするのも楽しいよ。 醤油もとても美味しい。材料は非常にシンプルだ。ただし、醤油に関しては濃口醤油、できれば再仕込み醤油、たまり醤油などの濃いものがあれば最適だ。蕎麦屋の玉子焼きが美味しいのは、醤油とみりんを合わせて寝かせたものを使用しているからだが、家庭ではなかなかそのような手間がかからない。その代わり、濃い醤油を使うことでコクのある味わいを楽しむことができる。 家庭用の醤油で作っても美味しい厚焼き玉子ができるが、濃い醤油を使うとより一層美味しさが引き立つ。普通の濃口醤油を使用する場合、少しみりんを効かせるのもおすすめだ。また、焼く途中に油を補充するためのキッチンペーパー、焼いた後に形を整えるためのまきす、テフロン加工のくっつかない鍋か、油のよくなじんだ鍋が必要だ。 ② 卵をよく混ぜる。卵は箸で比較的ラフに混ぜる。黄身をつぶしながら、泡立てないように溶き混ぜ、醤油と砂糖を合わせる。少し大きな白身の塊は箸で取り除き、切ってください。この時点で、普通の濃口醤油を使った場合、少量のみりんを加えても美味しい仕上がりになる。 ③ まず、最初の1回目の焼きを行いる。火加減は中火で、油をしっかりひく。鍋が温まって、箸先で卵液を落としたとき“ジュ”っと音がして、一瞬で液が固まるまで絶対に卵は入れない。確認後、卵液を1/4入れ、均一に広げる。プクプク膨らんできたところは箸先でつつき、均一に火が通るようにする。白身が半熟に固まりかけたら、奥から手前に箸でつかみながら巻いていく。 巻き終えたら、卵を奥に再び滑らせて移し、手前にさっと油を引きなおする。 ④ ２回目以降も同様に焼く。空いたところに卵液を流し入れ、箸を玉子焼きの下に入れて持ち上げ、下にもしっかり卵液を流し込む。あとは１回目の作業と同じだ。半熟になったら奥から手前に巻いて、奥に滑らせ油を引き、また卵液を流すを繰り返する。数回流し込んだ後、特に最後は好みの焼き色で焼き上げる。 ⑤ まきすに巻いて形を整えれば完成だ。形が整っていなければ、まきすで軽く巻き、少し置いて形を整えれば完成だ。少し香ばしく焼きあがった甘い厚焼き玉子を切って、大根おろしに醤油をかけていただく。