《アプローチの理由》
本稿では、競合モデルの理論的概要を説明した後、以前の研究で取り上げられた主な説を、「理論上の論題」「方法論上の論題」というカテゴリをアプローチとして まとめ、各々についてどのような知識を得ることができるかどうかを概観する。
(その中、Gibsonによる競争モデル批判とそれに対するMacWhinneyの反論もご紹介する。)こんな構成をとる理由は、競合モデルの研究は、仮説演繹法的な切り口をとることが多いため、その題に基づいて研究の流れを跡づけることが重要であると考えているからだ。
表で過去の競争モデル研究の設計と結果をまとめて、英語の目標言語とした研究がたくさんあるなど、全体的な傾向を示すことを目的とする。
表1.L2競争モデル研究の手がかり強度ランク
研究者の名前
母国語(例、日本語)
目標言語(例、英語)
手がかりの強さ
【例】Harrington
(1987)
「対象文献を見つける方法」
(1)SocialScienceCitationIndexて、MacWhinney&Bates(1989)を引用した文 献を徹底的に検索して、その中日本語の獲得を扱ったことを拾いる。
(2)「Japanese」、「competitionmodel」をキーワードにGoogleScholar、LLBA、 PsychoInfoとEBSCO-HOSTを検索する。
(3)RuthKanagy、Shirai、吉岡薫、Hatasaの日本語習得文献で関連があることを摘む。
(4)MacWhinneyホームページから該当分野の最新の文献をチェックする。
(5)伊藤田原泊(1993)の参考文献に基づいて関連文献の一覧を表示する。
(6)GeNii学術コンテンツ・ポータルを介して、「文章理解」「処理方略」をキーワードにして、関連する論文を検索する。
(7)日本Amazon社と米国Amazon社のデータベースから「文章理解」「sentencecomprehension」が署名にある書籍を調べる。
(8)研究開発支援総合索引簿を介して、文章処理の研究を専門とする研究者を調べて、各研究者の項目にある「研究成果」で関連文献を抽出する。
(9)論文書誌データベースで、「文章理解」「処理方略」をキーワードにして、関連する論文を調べする。
(10)JournalofMemoryandLanguage、Applied Psycholinguistics、LanguageLearning、「第二言語としての日本語の獲得研究」の既刊号の目次を徹底的に調査し て、関連文献を検索する。
「文を書くときにおける困難点と対策」
競合モデル自体の理論的枠組みの説明をどの程度詳細にするか(できれば日本語に関する研究に用紙の幅を割愛したいが、理論枠組みの解説がない門外漢には理解が こんなんだろう。)
競合モデル研究した研究がいくつかの問題に答えを出そうとするケースが多いので、上記の説他の構成をとると、同様な研究が各所で言及されているものであり、読 者を混乱させる可能性のある課題がある。
対策として、すでにある研究を年代順に配列した表を貼り整理することによってこの課題を解決することを考えている。
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